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2023.10.21

設計部ブログ「櫓の家に住んでみて感じたこと」

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設計ブログ

こんにちは。

設計部の高橋です。

今回のブログでは 「櫓の家に住んでみて感じたこと」について、素直に書き綴るとともに自宅で採用した間取り「コートハウス」ついてお話ししてみたいと思います。

【だから 櫓で建てました】

家を建てるぞ!となった時 誰しも何処にお願いしようかと色々悩むのではないでしょうか。

かくいう私も 櫓に勤めながらも 櫓の家ってどんな感じなのだろうかと色々考えました。

この業界に居ると随分沢山の建物に触れる機会が多く、どこのメーカーや施工会社の家が一番良い!みたいなモノはなく、それぞれの会社に強みや良い点が沢山あって、割と何かに特化して強みを出している会社が多いものです。

強みが特化していた方が、選ぶ側にとっては優しいかもしれませんね。

家を本気で考え始めた時に気づかされたことでもありますが、家づくりにはバランスが大事だと思っています。

予算が潤沢でもないのにやりたいことは一丁前にありましたし(笑

そういう意味でも櫓は総合的にバランスが良かったのです。

強度や性能、価格や仕様、建物の大きさもトップクラスである必要はないと思います。

家の強さは家族を守れれば十分ですし、断熱や気密性能も体感できる程度で十分だと思います。

見た目にもしっかり気をつかいながら価格も手が届く無理のない価格に設定されている。

仕様も永く付き合える素材。目の行き届く規模の家で家族を感じられれば十分だと思うのです。

限りある中で全てが必要な分になっていれば、それは満たされているのと同義だと思いますし、慎ましくさえ思える。

何かを特化させるあまり自由が利かない規格型の家はハウスメーカーに沢山存在します。

なんだか住む人が置いていかれているような気がしています。←批判じゃないですよ(笑

櫓もトヨタの社長のように「車(家)好きを誰ひとり置いていかない」と強く言えたらカッコいいですが、少なくとも櫓は規格化しないことで生まれるお客様の家にだけ存在する空間や雰囲気を大事にしています。

永く住める家よりも、永く住んで居たいと思ってもらえる家に価値を見出しているからです。

その方が愛着も湧いて、大事に住んで頂けるから建物も長持ちします。

【だから コートハウスにしました】

2019年の秋頃のことでした。

私の地元であり、幼い時から土地勘のある場所に整形で平らな区画が売りに出ていたのを、妻が見つけて問い合わせをしたのがきっかけで家づくりに入りました。

敷地はよくある住宅街というやつで、道路側以外はすべて住宅に囲まれた敷地です。

本当は広い敷地で車も何台か駐車できるような、ロケーションも良くて最高!

みたいな土地を思い描いておりましたが、現実はそんなに甘くはないですね(笑

家を建てる時は、景色の良いところでご飯を食べられるダイニングが良いなぁなんて漠然としたイメージがあったのですが、実力不足からか実際に用意出来た土地は高台でもなければ、海が見える訳でも 山が見える訳でもなく 同じ高さの家が立ち並ぶ37坪の住宅地でした。

妻からのオーダーは寂しくない家。・・・過去に何かあったのだろうかと思うようなオーダーでしたが、あまり深堀りせずプランをつくることにしました(笑

住宅が密集したエリアで計画する都市型住宅の課題は【採光・通風・プライバシー・セキュリティ】

この4つを如何にして上手く住宅に取り込んで解決していくかだと思います。

4つの解決方法は様々あるのですが、我が家では中庭を設けた【コートハウス】とすることで解決していくことにしました。

元々はヨーロッパや中近東などで多く見られた様式ですが、日本でも京町家がそれに近い形になっています。

壁や建物で庭を囲い、中庭に面した窓を大きくとることが一般的に多くみられる形です。

形もロの字型やコの字型、L字型などバリエーションも豊富にあります。

中庭を採用することにした理由はもう一つあり、ご飯を食べる場所からの眺めが良いことに憧れていたので、ロケーションが悪いならせめて景色くらい作るか・・・的な発想もありました。

家って聞くと屋内だけの漠然としたイメージがありますが、自分達家族だけのプライベートな屋外空間が屋内と一体的になっているというのは、想像以上のメリットがあることに住んでから気づかされました。

ここではそんな中庭のある家のメリットとデメリットについて触れてみたいと思います。

コートハウスを検討されている方がいらっしゃいましたら是非参考にしてみてください。

驚くほど色々なことが理にかなっていることに気づかされます。

■メリット

住宅街に住みながらも外からは見えないので休みの日のダラッとした格好で過ごしていても窓は開けっ放しで生活でき、風も抜けます。カーテンも閉めないので光は一日中入ってきます。

ただただ目の前に庭がある計画よりも、壁で囲うことで窓の面に直接日が当たっていなくても、中庭内で光が反射し合うため、多くの光を家の中に取り込むことが出来、曇りの日でも割と明るいです。

また建物躯体で囲われているので防犯性も高く、安心して子供達が庭で遊べます。

プールをしたり、ご飯を食べたりしても外部からの視線が無いので、とても有意義な時間を過ごせるのもポイントです。

庭と一体的な繋がりを感じることが出来るので空間の開放感や季節を感じることが出来ます。

また、屋根がなければ建築面積にも含まれないので外から見ると大きな家に見えたりします。

■デメリット

コストがやや高くなります。基礎の面積が大きくなり壁の面積も増えるため、建築コストが上がります。

光が反射するように、少し音が反響します。

子供が騒いでいると少しヒヤヒヤしたり(笑

冬の活躍シーンは少なめですが、外で鍋を食べると露天風呂のような気持ち良さがクセになります。

【だから 3年住んで思ったこと】

住んで一年目くらいはどのように使ったら良いのか分からず、時折出る程度の庭でしたが、今では休みの度に中庭を利用するほど頻度が高くなり、住んでみて感じたことは、直接使用するメリットと間接的なメリットが存在して自宅の顔と呼べるほど主役になったことです。

櫓の家に住む前は断熱への信頼も半信半疑で窓のスペックへの心配もありました。

暑いかな?とか寒いかな?とか色々心配していましたが、結露するようなことも、収納の奥でカビが発生することも無く、実際住んでみたら思っていたよりも何倍も住み心地が良かったです♪

素材の影響もありますが、春・秋は光も入り風も抜けて心地よく快適です。

夏はエアコンがなければ暑いでしょうし、冬は床暖が無ければ寒いのは四季がある日本に住んでいたらどこも同じだと思うので、ちゃんと空調が利く性能になっていることを体感できたのは大きな収穫でした。

因みに妻からのオーダー寂しくない家への回答は、1階をLDKのみのワンフロアで構成し玄関から一番遠い2階の部屋までの動線を限りなく一筆かつ見渡せる動線にすることで、あえて回遊動線を避けて家族に出会う間取りとして回答したつもりです。

正解はわかりませんが、今のところ子供も賑やかなので 寂しくはなさそうです(笑

だいぶ長くなってしまいましたが、現在 現場進行中のオープンハウス物件でも中庭のある住宅を計画しています。

近年では、櫓の施工例にも増えてきた「中庭」コスト以上のメリットがあると思いますのでご自宅を計画される際にご検討してみてはいかがでしょうか。