特別な「家」【スタッフブログ 設計:髙橋】
設計部の高橋です。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、どんなお話をしましょうか
やはり「家」のお話になりますかね。
少し私個人の回顧録のようになってしまいますが、お付き合いください。
今はこのような仕事をさせて頂いているので戸建て住宅が身近な存在ではありますが、それでもまだ私にとって家というのは、ものすごく特別な存在です。
私が5歳くらいから父が家に帰ってこなくなり、なんとなく他の家の様子と違うなぁと気づいた時には既に父はおらず、決して裕福とは言えない生活の中でも、それなりに楽しい幼少期を過ごしていました。
2DKの木造アパートで兄と母と私の3人暮らし。
幼い時には気にならなかったことが、成長と共に気になるようになってきたことが「家」を意識するようになったキッカケでした。
自分の部屋はもちろんプライバシーも無い、友達を家に招くことも出来ない。
学生生活が終わるまで続いた、かなり苦い記憶です(笑
今思い返せば「家」に対するコンプレックスが建築を志す上でとても大きな原動力であったと思います。
建築に魅せられ、カッコイイ建築達は私にとって現実逃避に近かったのかもしれません。
高校も建築学科のある学校を選び、いつか必ず自分の理想の家を建てる!!
そんな勢いで志した道でしたが、学生も終わり設計事務所で仕事をし始めると知れば知るほど、やればやるほど、その理想と現実の差に大きく悩まされました。
家を考える仕事よりも、沢山お金をもらえる仕事の方が家を建てるには近道だったと気づくのにそう時間はかかりませんでした(笑
私は主に意匠と呼ばれる使い勝手や見た目の美しさを追求するような設計事務所に席を置いていたことから、高額でとても手の届くような家が少なかった為、マイホームを少し諦めかけていた時期もありました。
様々な建物を手掛ける設計事務所を経て、縁あって櫓で仕事をさせて頂くようになり、櫓は設計するだけではなく、つくる会社でもあったため、注文住宅に抱くイメージは私の中でも大きく変わっていきました。
自由な間取りで注文住宅さながらの家作りなのに、様々なものが手の届く価格帯に設定されていることも櫓の大きな魅力です。
お金持ちでなくても素敵な家が建てられるのは、共に働くスタッフや関係業者様の知識や経験と工夫で実現されているからです。
自分の所属する会社ながら凄いな~と思います、有りそうで無いと思います。
家への執念がそうさせたのかはわかりませんが、私も念願だった家を3年前に櫓で建てることが出来ました。
「家って本当にいいものです」
ずっと借家生活だったためか、毎日毎日家を出る時も帰ってきてからも感慨深い、私にとって家はとても大事な居場所です。
自分で計画したからというのもあるかと思いますが、私も家族も家が大好きです。
住み始めてなお愛着の湧く家を皆さまにもご提供できたらそんなに幸せな仕事はないでしょうね。
今年もそのような気持ちでお客様と向き合い家づくりの一助を担えればと思いながら、お客様と打ち合わせをした今日この頃でした。
写真は昨年の春に庭の木々を植え替えした時のものです。