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2024.02.21

設計ブログ「階段のお話し」

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設計ブログ

こんにちは。 設計部の重野です。

今回の設計ブログは階段についてお話しさせていただこうと思います。

お家の間取りを考える上で階段は実は最重要項目の一つであります。

「階段それぞれには性格があり、 得手不得手がある」

なんて言ったら、 何だか人間のことみたいで親近感が湧くでしょうか。

では、 そんな “階段さん “に着目してみましょう。

【階段の位置により変わる性格】

お家の間取りを考える上で 「リビング1階2階どうするか問題」 に並んで重要なのが、 実は階段の位置です。

階段の配置の仕方で、 その階段やお家の性格がガラッと変わります。

階段位置を分類すると概ね下記の様になります。

①玄関ホールの中の階段

②LDKの中の階段

③LDKを通り抜けた先の階段

それぞれに詳しく見ていきましょう。

■「①玄関ホールの中の階段」

メリットはお子さんのお友達が遊びに来た時など、 1階リビングであってもプライバシー性が確保し易いです。

極端な話、 予告なしに急にお子さんが友達を連れて来た時、 仮にリビングが散らかっていたりパジャマ姿であったとしてもギリオッケー何とかなる、 というようなことです。

また、 玄関ホールと抱き合わせて玄関まわりを広々見せ易くなるのもメリットですね。

デメリットはお子さんが帰ってきてそのまま自分の部屋に籠もってしまう、 また知らない間に友達を連れて部屋にいる、 などが想定されます。

年頃のお子さんにとっては、 もしかしたら逆にこれはメリットかもしれません。

▪「②LDKの中の階段」

メリットは何と言っても配置次第で階段を空間のアクセントとして魅せることが出来ることです。

スチール、 木製問わず階段形状を空間の中で見せることでインテリアを置き飾ることなく映えた空間を生み出せます。

また、 スケルトン階段であれば階段下もLDK空間と認識出来ますので広く感じやすく、 例えばスケルトン階段込みでLDK18畳とした場合、 LDKの視覚的広さ

をある程度確保出来ると共に、 階段で使用するはずだった床面積を他にあてがう事ができる訳です。

上階の個室へ向かうには必ずLDKを通りますので、 家族が集う機会が増えるのもメリットですね。

逆にそれを重視されない場合はデメリットになります。

デメリットとしましては、 前述の映える話しと相関するのですが、 魅せる階段はとにかくコストがかかります。

例えば人気のスチールのスケルトン階段などは形状にもよりますが100万円以上予算をみておく必要があります。

また、 オープンなリビング階段とされた場合は温熱環境への配慮がし辛いこともデメリットと言えます。

しかし、 LDKの中の階段配置だけど壁で囲われている階段の場合、 下の写真のように登り口手前に扉を設ける配慮を取ることが出来る為、 このデメリットは解消されます。

▪「③LDKを通り抜けた先の階段」

前述の 「②LDKの中の階段」 のデメリット 「温熱環境配慮が難しい」 対策とも言えます。

また、 LDKから外に一旦出た先に階段と水まわり 娔洗面室・浴室娘 を集約させることが出来れば、 例えばLDKにお客さんが遊びに来られているような状況の中でも気兼ねなく洗面室や浴室が使用出来ることがメリットです。

この場合、 トイレは必ずしもセットである必要はなく、 玄関に配置してお客様が使いやすいようにする場合もあります。

お客様がいらっしゃる時、 ご家族は2階のトイレを使用するイメージです。

この配置は、 お客様を招かれることが多いご家庭に喜ばれることが多いです。

デメリットはLDKを通り抜けた先に階段を設けるケースが多くなります為、 LDKが動線になってしまいがちとなり、 やや落ち着きを欠いた性格のものになる傾向があります。

【階段の配置と廊下長さの相関】

「2階の廊下をなるべく短くしたい」 は、 よくいただくご要望の一つですが、

その場合、 階段上りきり位置はお家の真ん中辺りであることが望ましいです。

その理由は、そこを起点に各部屋を配置しやすくなるからです。

逆に上がり切った場所が端っこの方だと動線が長くなります。

【スチール製・木製 スケルトン階段の注意点】

人気のスケルトン階段。

その採用に際してご承知いただきたいことを挙げさせていただきます。

▪お子さんが小さいうちは落下への配慮が必要。

▪ ベビーゲートが設置しにくい

▪怖がって上り下り出来ないワンちゃんがいる

▪階段下は意外に使えない

▪スカートは下から見えてしまうかもしれないのでご注意を

▪登り降りで音がしやすい。 特にスチール製の場合はカンカン音がし易いです。

▪スチール階段は揺れる

メリット、 デメリットを設計担当と充分お打ち合わせの上、 ご採用の判断をされることをお勧めいたします。

【最後に】

上記のように階段とは、 移動の為の機能であり、 オブジェクトとして魅せるものであり、 配置によって間取りを大きく規定するものです。

「お家づくりの成功は階段を突き詰めて考えること」 は大袈裟かもしれませんが、 重要なものの一つであることは事実ですので、お家づくりの中でぜひ階段にも着目してみてください!